手のひらは覚えている

昔、高校時代にファミレスの厨房でアルバイトしていたことがありました。

 

調理のヘルプは大学生のアルバイトが、高校生のアルバイトは仕込みや皿洗いが主な作業でした。

高校生だった僕は仕込みや皿洗いが主でしたが、どちらかといえば皿洗いの方が多かったです。

 

ファミレスの皿洗いは機械のディッシュウォッシャーでするんですが、皿などにこびり付いた汚れを落とすのにディッシュウォッシャーに入れる前にざっと洗うんです。

もちろん洗剤も使って。

 

で、ディッシュウォッシャーにかけて出てきた皿の熱いことといったら。

そりゃそうです最低でも70度程度のお湯で洗っているのですから。

暇な時は、ある程度冷ましてから片付ける余裕もあるのですが、忙しい時は当然そんな余裕もなく洗い終わった皿はすぐに取らないとなりません。

 

洗剤使って皿を洗って、やけどギリギリの熱い皿を手に取る。

そんな作業を数時間連日やっていたら、程なくして手荒れが起きてきました。

いわゆる手湿疹というやつです。

 

僕の場合は、まず小さい水疱のようなものがプツプツといくつもできてきます。

できる場所は主に手のひらや指、さらに進行すると指の甲側にもできました。

そしてその水疱が潰れたりすると、その周辺の皮が剥けてくるのです。

 

まるで日焼けしたときの皮のように。

始めは指や手のひらの一部だったものが、どんどん広がり、やがて手のひら全体、すべての指、そして指の甲の方まですべての皮が剥けてしまいました。

 

手の皮が完全に剥けてしまうとどうなるのか。

まず指紋が完全に無くなりますから指紋認証は不可能になります。

そして皮が剥けた手のひら全体が、猿のおしりのように赤くなり、常に少し熱を帯びたようになります。

 

皮が無くなると汗も皮脂も出せませんから、常に乾いた感じでちょっとしたことであかぎれのような状態になります。

あと紙をめくるとか、重ねた紙から1枚取るとかがかなり困難になりますから、学校では苦労しました。

 

ハンドクリームなどを付けてはいましたが、そんなの付け焼刃的な対応だということはわかってました。

大きな買い物だったバイクを購入した後は、ペースを落として週4くらいだったのを日曜だけの出勤にしました。

 

すると手の状態も治り始めました。

始めのうちは日曜に向けて段々治っていき、また日曜の厨房作業で手荒れが起こるという感じでした。

それがやがて日曜の作業を終えて荒れた手が治り始めるも、なぜか金曜辺りから手荒れが起き始めるようになったんです。

 

あの頃は、手が日曜にまたどうせ手荒れするんだからと体が勝手に記憶して、自暴自棄じゃないですが事前に手荒れが始まるんだなんて思ってました。

でも今思えば「あーまた日曜になったらバイトに行かなきゃ」なんていう思いがストレスになって週末に近づくにつれて手荒れが出始めたのかなと。

 

 

そして現在、もともと外的な刺激に弱い敏感肌なのは変わりなく手湿疹用の塗り薬は欠かせません。

今の仕事も、手の切り傷擦り傷、手荒れなどは厳禁の作業なのでというのもあります。

この仕事でなければ、手湿疹用の塗り薬をやめて多少手荒れしてもいいかなとは思いますけど。

 

ちなみに、僕が使っている手湿疹用の塗り薬というのは、メンソレータムメディクイック軟膏Rというものです。

 

これを毎日寝る前に塗ると手湿疹の症状は全く出ません。

面倒くさいんですけどねw

 

そんなことを考える今日このごろでした。